王様の仕立て屋 18―サルト・フィニート (ジャンプコミックスデラックス)作者: 大河原遁出版社/メーカー: 集英社発売日: 2008/05/02メディア: コミック購入: 3人 クリック: 5回この商品を含むブログ (19件) を見る


イタリア・ナポリの泥棒市を根城にする日本人仕立て屋の織部悠が、各方面から舞い込んだり顔を突っ込んだりする難問奇問を、持てる技術と知識を武器に解決して行く服飾系薀蓄漫画の第18巻。


この18巻で、2回目のイギリス編が終了した訳だけど、相変らず面白いやら為にやるやらで重畳この上ないです(笑)。


どの話も面白いのですが、見所となると私としては、イギリスでの騒動の黒幕ラルフ・ヒューイットの父親の話の『二つの祖国(前後編)』と、最上級カシミアを端に行われた、アラン、エリック、セルジュのリヴァル親子対決『アーサー王の剣』ではないでしょうか。
前者では、前のベリーニ伯爵の話でやった『仕立てた服を完成させる為なら、ベスパをも小物と言い張る』を更にグレードアップした事をやって、ヒューイット卿から一本取っているのが何とも痛快です。
後者では、無駄に行動力のあるジュリアが持ってきたカシミアを皮切りに、今回の騒動に関係した各陣営等が雪崩れ込み、ベアトリーチェの指示を元にヴィレッダとイザベッラが場を掻き回し、最終的には美味しい所を残し有耶無耶にして収めてしまった所が、流石俺の嫁達と言った感じで大好きな話です(笑)。
それと、カシミア騒動の陰に隠れてしまっているけど、アランの厳しさの裏にある息子達への秘めたる思惑や状況によって自分のスタイルを崩さない矜持を見せる所もポイントが高いですね。


ついでにもう一つ押すとすれば、オリエント急行乗車中にコート一着を仕立てた『銀色の道』でしょうか。
これは、織部を中心とした即席チームが、物凄く良いチームワークを見せる所が好きと言うか、
織部「よし 物知り姉ちゃん 見立てに行ってくれ」
ヴィレッダ「え?」
ジュリア(ガシッ)
ヴィレッダ「わー」
飛行機(ゴー)
の流れに代表されるテンポの良さが大好きです\(≧▽≦)/


それにしても、これだけ挙げると残りは2話しかないので、ぶっちゃけ、18巻の全話が見所といえば見所なんですけどね(=´∇`=)
だって、ラウラが悶絶奮闘する『不思議の国のアリス』も、ヒューイット卿に軽くあしらわれて顔真赤にしてついて行ったり、織部との会話からヒントを得たラウラが去り際にデレながら御礼を言う様が可愛いやら色々あって、好きな話だからねぇ(*´Д`*)


そんなこんなで、現在、本誌連載の方ではアメリカ編に突入し、来週20日発売の増刊では、また外伝の読み切りを描くようなので、ますますこれから先が楽しみな仕立て屋です(=´∇`=)