ゲド戦記

スタジオジブリ最新作にして、宮崎吾朗第1回監督作品。
以下、感想のようなもの。
例によって例の如く、私は原作を読んでません(笑)。
なので、原作と較べてどうとか言えませんが、まずこれだけは言っておきます。
これのどの辺が戦記なの?
これが、『ゲド戦記外伝〜ハイタカの章〜』とかになってたら、また観方が変わったかもしれません。
まぁ、これだと『何処の修羅の一族だよ』と突っ込まれるかもしれませんが(笑)。


それはさて置き、ストーリーの方は、渋ダンディ・ミーツ・ボーイ&ガールが基本軸となってます。
私の視点では、この映画の主役はハイタカ(渋ダンディ)なので、当然ヒロインはテナーになりますが、既にハイタカとは顔見知りなので、基本軸からは外してます。
まぁ、それでも、ハイタカとラブラブだわ、囚われのお姫様になるわと、大活躍なので特に問題ありません。
ただ一つ残念というか惜しいのが、テナー役の風吹ジュンさんの演技。
殆どのシーンで不満は無いのですが、クモの部下に囚われたシーンとそれに続くクモの居城でのシーンでの、強気な態度を取る所に鋭さが足りなくて物足りなかった。


それは兎も角、本来主人公&ヒロインである筈のアレンとテルーは、なんか影が薄いです。
流石に、クライマックスではそれなりに活躍しますが、その程度しか見せ場が無いというのは、作劇上ちょっと問題かも。
まぁ、中盤の流れが、ひたすら農作業しかないので、見せ場の作り様が無かったのかもしれませんが(笑)。


私のこの映画に対する総合的な評価としては、これを作ったのがスタジオジブリでなければ、もう少し世間の評価も温かかったのではと思えるほど、悪い出来では無いと思います。
ただ、それにはもう少し『何をどう作りたいのか』を、はっきりさせないと難しいかもとも思います。


まぁ、ごく個人的には、菅原文太氏の渋い演技が見られたので、それだけで満足してしまっているのが、正直な所ですが(笑)。
そんなピンポイントなツボを持つ人には、十分お薦め出来る映画だと思います。